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決算報告の難関「工事経歴書」について
これは、決算期1年分の工事内容を記載した書類のことで、
毎年作成して提出する決算報告書類の一部です。
この書類、
許可を受けている業種ごとに作成しなければいけないので、
例えば、「土木一式」、「とび土工」、「舗装」の
3業種の許可を持っている場合はそれぞれどの工事がどの業種に該当するかを振り分けて
それぞれの完成工事高を算出し、記載要領(手引みたいなもの)に沿って
そのルール通りに工事内容と工事件数も記載します。
第一の難関「業種の振り分け」
上の例えの様に「土木一式」、「とび土工」、「舗装」の場合、
1期分すべての注文書や請求書とにらめっこしながら、
この工事は「土木一式」で、この工事は「とび土工」、この工事なら「舗装」だな
といった感じで全ての工事を振り分けていきます。
この作業だけでも「え?1年分全部の?そんなに面倒なことするの?」
ってなってる方多いですよね?
大きな現場を年間で5件くらいというような営業スタイルの会社なら直ぐ終わる作業ですが、
人工での応援や個人宅・店舗のメンテナンスとかちょっとした作業を多くこなしてる会社の場合、
工事件数が300件とか普通にありますよね。
弊所のクライアントさんでも2000件を超える会社様もいて、
全ての契約書・注文書・請求書に目を通して振り分けます。
決算終わってホッとした頃にこの作業を社長ご自身がやるとなると中々...
この作業量の多さが1つの難関なのですが、
さ・ら・に
どの工事に振り分けなければいけないのかという基準があって
自分の感覚だけでこの工事は土木一式だ!と振り分けると結構間違っちゃってること多いです。
自己流で事故るってやつですね。
基準はこちら
↓↓↓
国土交通省 業種区分、建設工事の内容、例示、区分の考え方
この表どおりに振り分けていなければ
役所の窓口であっさり「このままでは受理できません」と言われて
やり直し再提出となってしまいます。
この
「業種区分の考え方や例示をしっかり理解した上で振り分けていく」ことが、
もう一つの難関であり、大事なポイントです。
第二の難関「工事内容の記載順」
工事経歴書には工事の発注者・工事名・請負金額・工期など
工事の内容を一定のルールに従って順番に記載していきます。
そのルールがこちら
↓↓↓
国土交通省 工事経歴書(第2号様式)の記載フロー
こちらに書いてあるとおり、
このフローチャートに従って自分がどれに該当するのか見つけます。
次に、該当したパターンで
①元請工事に係る完成工事について、元請工事の完成工事高合計の7割を超えるところまで記載
②続けて、残りの元請工事と下請工事に係る完成工事について、全体の完成工事高合計の7割を超えるところまで記載
ただし、①②において、1,000億円又は軽微な工事の10件を超える部分については記載を要しない
とだけ書いてあります。
とだけしか書いてません。。。
はい、明らかに説明不足~!
結構ややこしいルールなのに、たったこれだけの説明...
でもやるしかないので
私も最初の頃は何度も記載例と照らし合わせたり
上川総合振興局の建設指導課に電話したり。
この「工事内容の記載順とルール」が第二の難関であり、
しっかり理解して作成することが肝心です。
まとめ
これだけ面倒な感じなので、
自分で作成しようと思ったけど途中でイヤになってほったらかしちゃう人もいます。
提出しないままいても
役所から催促の連絡や通知は来ません。
なので、
そのまましれ~っと5年後の建設業許可更新の申請をした時に
「決算報告を提出していないので申請を受けることができません」
となって初めて事の重大さに気づき、
なんとかしてもらえませんか!?というご相談もよくあります。
このパターンのご相談のほとんどが更新期限ギリギリなので
何とかなりそうなパターンでしたら全力でサポートしますが
残念ながら絶対に無理だな~というパターンも多々あり、
そうなったら新規で建設業許可を取り直すことになりますので
無許可の期間、つまり空白期間が生じます。
請け負ってる現場が500万円以上だったりすると
建設業法違反となり元請さんへ迷惑をかけることになります。
そしてなにより、
許可の更新が出来ない会社というのはあまり聞きませんよね?
それぐらい普通のことが出来ていない会社ということで
会社の信頼を大きく落とします。(だらしない会社、何か裏で法律違反してんじゃないの?反社と繋がってるかも?という疑念)
どれだけ面倒でも逃げることができない決算報告、
最悪パターンになる前に
「これ自分じゃ無理だな~」とか
「こんな作業に時間取られるくらいなら自分の仕事に専念したい」
という方、
専門家へのご相談をお勧めします。
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